偶然ではない?『ゴジラ』と『君の名は。』1954年から繰り返す奇妙な縁と共通点とは

『シン・ゴジラ』と『君の名は。』が大ヒットを記録している。前者は興収53億円を突破し、後者は初動三日間で12億円を突破。13日間で47億円を記録するヒットだ。
今夏は洋画大作を蹴落として、この二作品が日本中の話題を掻っ攫っている。
社会現象とも呼べる両作品だが、実は奇妙な縁で結ばれているのだ。

何の因果か、1954年にも『ゴジラ』と『君の名は』が公開されている。
『ゴジラ』は記念すべき第一作であるが、『君の名は』はNHKラジオドラマの映画版であり、現在公開されている『君の名は。』との関係性はもちろんない。
だが、1954年と2016年はあながち無関係とは言い切れないかもしれないのだ。

1954年 ゴジラと君の名は

1.『ゴジラ』より『君の名は』がヒットした

1954年に公開された『ゴジラ』は961万人の観客を動員、配給収入は1.5億円の大ヒットを記録した。
同じ年に『君の名は 第三部』が公開となり動員数は1000万人、興収は3.3億円で54年の邦画興行収入ランキング1位となり、『ゴジラ』よりヒットを記録した。

2016年に公開された『シン・ゴジラ』は興収61億円(9月7日時点)で動員数は420万人。公開から三日間では8億円を超え、56万人を動員するヒットとなった。
『シン・ゴジラ』より1か月遅れて公開された新海誠監督作品『君の名は。』は公開から三日間で12億円を突破。動員数は68万人を記録。公開から13日間で既に47億円に達している。

公開から三日間というスタートダッシュの括りでみると、『君の名は。』は『シン・ゴジラ』よりも興収、動員共に勝利している。

2016年の『君の名は。』は平日でも満席が続出しており、どこまで数字を伸ばすのか全く読めない状況になっている。
配給の東宝は最終60億を見込んでいるが、それを上回り100億円を超える可能性もありえる。
13日間で47億円を記録しているので『シン・ゴジラ』の記録を抜くのは確実だろう。
1954年は最終的に『君の名は』の圧倒的な勝利に終わったが、2016年もその歴史を繰り返すのだろうか?

2.共通の題材を扱っている

1954年を見てみよう。

『ゴジラ』の劇中では戦争を匂わす発言や演出が多くみられた。「長崎原爆から生き残った体」というセリフや新兵器に対する恐怖などが描かれており、戦争の香りが強く漂う作品になっている。(本多監督は反戦反核の意図はなかったとも語っている)
『君の名は』は東京大空襲の避難中に出会った名前も知らない男女が、再び再会することを誓いあうという内容である。
両作品は戦争というテーマで共通しているのだ。

対して2016年はどうだろうか。
『シン・ゴジラ』は明らかに”東日本大震災”を題材としている。東京で震災が起きたらというリアルシミュレーションを描き、放射能問題にも触れた作品になっている。
『君の名は。』は彗星災害が物語の主軸になっているが、これも震災の影響が見え隠れしている。災害から救えたかもしれない世界を描いているのだ。

1954年は戦争を共通題材に、2016年は震災を共通題材としており、奇しくも両作品は同一のテーマを題材にしているのだ。
これは偶然なのだろうか。

たった一つ違う点

1954年と2016年の奇妙な類似性に触れてきたが、過去と現代ではたった一つだけ異なる点が存在している。
それは製作会社が異なる点だ。
1954年の『君の名は』は松竹が製作。『ゴジラ』は東宝が製作した。
2016年は両作品とも『東宝』が製作している。

不思議な縁が紡ぐ、62年越しの物語。今回も『ゴジラ』が『君の名は』に敗北してしまうのだろうか。
歴史には人々が理解できない力が存在しているのかもしれない。

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気になったものはなんでもみる雑食映画好き。

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