【全力擁護】ゲーム未プレイでもわかる!パルクール体感型アクション映画『アサシン・クリード』を楽しむための3つのポイント

賛否がクッキリ別れる映画だとは思います。この映画『アサシン・クリード』、個人的に2017年注目作の一つに挙げていたものの、アメリカをはじめとした日本に先駆けて映画が公開された国々での評価は、優しい言い方をすれば「今ひとつ」、批評サイトによってはケチョンケチョンに叩いており、とても楽しみにしていた僕の気持ちを3月3日の日本公開を待たずして豪快に萎えさえてくれていました。しかし、若干しょんぼりしながらも公開日に鑑賞した本作は、なかなかどうして僕個人は非常に楽しめましたので、ここで鑑賞推進および擁護のためのちょっとした解説をさせていただきたい所存でございます。

http://www.imdb.com/title/tt2094766/?ref_=nv_sr_4

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最初にお断りなのですが、小生、「映画を見る前に、まず前提としてこれらの前知識を…」というようなオススメの仕方が往々にしてウザがられてしまうのは承知しています。しかし今作は監督の意図したことではないと思いますが、結構な「一見さんお断り」仕様となっており、原作である大ヒットコンシューマーゲーム『アサシンクリード』シリーズの世界観を多少なりとも知っていないと、唐突に始まるストーリー、背景があまり語られない登場人物群、フィクションラインの見えづらさなどで、あっという間に置いていかれてしまうでしょう。実に惜しい。この映画後述するようなポイントで、説明の足りなさゆえに「雑」と感じるところは多々あるのですが、だからと言って決して「ぬるい」作品ではなく、パルクールというフリーランニングの体技をつめこんだアクション、中世スペインを再現した市街地表現、またそこを舞台にした歴史上の事件への臨場感、よく掘って調べれば重厚なストーリーと、見どころや面白がるポイントがたくさんある、生意気な言い方をすれば「すごく頑張ってる」映画です。是非多くの方に劇場に足を運んでいただきたいという思いから、個人的に「これだけおさえておけばきっと大丈夫」という予習ポイントを3つお節介ながらご紹介していきます。

1.アサシンは正義の味方です

http://www.imdb.com/title/tt2094766/?ref_=nv_sr_4

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まず、作品の世界観ですが、予告編などでお分かりの通り、主人公は劇中登場する「アニムス」という装置で中世スペインに「擬似タイムスリップ」をします。物語は、主人公カラム・リンチが生きる時代と、彼がアニムスで記憶を遡り、アサシン「アギラール」として活躍する暗黒時代のスペインと、2つの舞台を行ったり来たりするわけですが、主人公カラム・リンチのいる「現代」に見える世界は、「テンプル騎士団という組織が、歴史の裏で暗躍し、洗脳や遺伝子改造によって全人類を管理統治しようとしている」世界であり、言うなれば『リベリオン』(2002)や『Vフォーヴェンデッタ』(2006)で描かれたような完全管理社会、いわゆる「ディストピア」が物語の起点になっています。我々が暮らす「現代」とは似て非なる世界です。

そして、そのテンプル騎士団の野望を認識し、連綿と続く血縁によって結ばれ、騎士団の支配に唯一抗おうとして戦い続けている組織が秘密結社「アサシン教団」であり、人類の自由意志の「守り手」なわけです。映画ではこのあたりがあまり説明されません。しかも今作の主人公は死刑囚。話の流れ的に謂れのない罪で極刑を宣告されているのかと思いきや、そこはきっちり人を殺したことは間違いないみたいだし(ノベライズ版でこのあたりの事情は詳しく説明されており、虐げられている女性を助けるためやむなく及んだ実力行使でした)、主人公の父親はなんだか無抵抗の母親を手にかけたっぽいし、そもそもアサシンとか教団って響きがちょっとカルトを想像させる陰鬱なイメージですよね?「アサシンって何なの?潜在的犯罪者のこと?」「テンプル騎士団って暗殺されるほど悪い人たちなの?」と思ってしまうのは至極当然、観客は主人公を応援してよいものか迷ってしまいます。よって、これだけは覚えていってください。映画『アサシンクリード』の世界では、人類支配を目論む巨大な悪=テンプル騎士団、対する正義のレジスタンス=アサシン教団です。ちゃんと語られていませんが、アサシンクリードの世界では決定事項です。よってアサシンの血をひく主人公も、れっきとしたヒーローということでOKなのです。

2.「エデンの果実」が何か深く考えるのはやめましょう

http://www.imdb.com/title/tt2094766/?ref_=nv_sr_4

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物語の鍵となる「エデンの果実」。テンプル騎士団とアサシン教団は何世紀にも渡って、このアイテムを巡り戦い続けています。その出自が旧約聖書「創世記」のアダムとイブがいたエデンの園って急に言われても、ねえ?そんな時代にDNAだと?んな馬鹿な!ってなりますよね。

この壮大すぎる設定、ゲームのように何時間もその世界に触れ、ゆっくり設定を説明して飲み込ませることができるような環境ならまだしも、約2時間という制限時間のある映画では、「トンデモ設定出してきたなあ」で終わってしまいかねません。しかも、「エデンの果実」というアイテム自体、ゲームのファンである私にも実はよくわかりません。劇中では「人間の暴力因子の位置が特定できる遺伝子の地図」みたいなことが言われてますが、そもそもゲームでは強力な洗脳兵器の扱いです。よって「エデンの果実」とは何か、「手に入れた陣営が勝つ超兵器」という認識でいいと思います。フォースが何かわからなくても、スターウォーズを楽しむことに支障がないように、「エデンの果実」がわからなくても『アサシンクリード』は大丈夫なはずです。

3.イーグルダイブはアサシン覚醒の証です

http://www.imdb.com/title/tt2094766/?ref_=nv_sr_4

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これは読んで字のごとくです。映画に登場する「イーグルダイブ」の扱いは、主にゲームのファンに向けての演出だと思いますが、超高所から急落下、無傷で着地する技をこう呼びます。ゲームでは、普通に落ちたら死ぬような高さの構造物から地上へ降りるときのショートカット技として多用します。イーグルダイブを起動すると、「ピィィィィ!」という鷹の鳴き声が響き、両腕を広げて鳥のように落ちていく専用の視覚効果が挿入されます。非常に印象的でアサシンクリードというゲームを象徴する技なのですが、そんなことはゲームを知らない観客は知るはずもありません。

映画ではアギラールがクライマックスでこのダイブを見事成功させ、マリオン・コティヤールが「イーグルダイブ…!」(いつ名付けたの?)と感極まった感じで呟きますが、ここはですね、よくわからないけど「カラム・リンチが完全にアサシンとして覚醒したのだな」という風に受け取ってあげるのが優しさです。

この映画全編に言えることですが、ゲームのファンだけに向けた目くばせが多数配置されており、それを「お迎え」にいくことが前提のつくりにはなってしまっています。他のところはまあまあ無視できますが、前述した「イーグルダイブ…!」の下りは扱いも大きく、ストーリーも転換点になりますので、ここだけは目を瞑って「本物のアサシンしか使えない技を使えるようになったってことは…?」と考えてあげて頂きたいです。

いかがでしょうか。以上三点さえ、しっかり事前認識して頂ければ、ちょっと複雑で風変わりな設定を持つSFアクション映画として、また娯楽映画として充分楽しめると思います。ヒーローとしてのアサシンの衣装もカッコいいですし、しつこいですが何といってもアサシンの体技パルクールが見ごたえ充分。現実にあの動きをできる人が存在すると考えただけで嬉しくなります。(参考に本作でパルクール部分のスタントを担当した方が所属するパルクールチームの動画をご紹介しておきます。)

いまいちな評判に意気阻喪して、「レンタルでいっか」と思ってしまっている諸兄、なにとぞ、じゃなかった是非、劇場に足を運んで、大スクリーンでアサシンたちの雄姿をご覧ください。もはや叶わないかもしれませんが、僕は続編が見たいのです!

Assasin’s Creed:TM © Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. © Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
Eyecatch Image:http://www.imdb.com/title/tt2094766/?ref_=nv_sr_4

 

About the author

1977年生まれ。週刊少年ジャンプ脳のクリーチャー愛好家。玩具コレクター。エンドレスダイエッター。「意識低い系」の文章を信条としています。

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