強毒「ヒアリ」を『アントマン』で学ぶ ─ 映画でも見せた驚きの生態とは

刺されると最悪の場合死に至るほどの強い毒性を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が、神戸や名古屋、大阪に続いて東京都内でも見つかった(2017年7月6日)。環境省は、都内でヒアリが見つかった東京港・大井埠頭の周辺にて緊急調査および殺虫剤の散布を実施している。

見つけづらく、気付かぬ内に身体を登ってくる恐れもある毒性アリだけあって、その危険性が連日取り沙汰されるヒアリ。海外ポップカルチャー・ファンにとっては、マーベル映画『アントマン』(2015)でお馴染みだろう。今回は、『アントマン』では頼もしい味方として登場していたヒアリの生態について迫りたい。

「生きる防水イカダ」作るヒアリ

『アントマン』の主人公スコット・ラングは、アリを意のままに操ることができる。劇中では、サシハシアリ(刺されると銃で撃たれたように痛むことから、英名は”Bullet ant”)、オオアリ、クレイジー・アントが登場するほか、ヒアリもアントマンの強力な仲間となる。

ヒアリ

映画『アントマン』では、赤茶色の小さなヒアリが大量に集まり結合することで橋となったり、アントマンを上方へ押し上げるなど、イレギュラーな状況での移動手段として活躍した。また、クライマックスへと繋がるシーンでは、ヒアリをイカダのように結合させ、配管から敵の研究所に侵入するのに役立った。

多量のヒアリが結合して橋やイカダを作るのは、ヒアリが自然界でも見せる習性だ。暴風雨に見舞われやすいブラジル出身のヒアリは、洪水で巣から押し流されると、仲間たちで集まってイカダの形となり、数週間ものあいだ水面上を漂う。ヒアリの外骨は水を弾くことから、「生きる防水イカダ」と呼ばれている。脚と触角をまるでニットのように固く絡ませあったその「甲板」は、表面にコインを落としても受け止められるほどに強固だ。もっとも、水中の魚たちにとっては恰好の餌となってしまうようだが。

アントマンが乗り込んだ「生きる防水イカダ」の上で、働きアリらは女王アリを丁重に扱う。ゆらゆらと水面を漂い続けた後に地表に上陸すると、結合を解除。女王アリを「下船」させると新たな巣を作る仕事に取り掛かり始める。

充分な注意を

過酷な自然界を生き延びるために小さな身体を寄せ合う習性は、何ともけなげに感じられるが、油断は大敵。非常に攻撃的なヒアリ(fire ant)は、刺されると火傷のように痛むことをその名の由来としている。アナフィラキシーショックを起こし死に至る可能性があることから、殺人アリとの異名を持ち、「世界の侵略的外来種ワースト100」にも指定された。
東京都環境局は、もしも刺された場合はまず「20~30分程度、安静にし、体調の変化がないか注意」するよう呼びかけている。症状が悪化した場合、「一番近い病院」で「”アリに刺されたこと””アナフィラキシーの可能性があること”を伝え、すぐに治療」が必要だ。

動物行動学者は、ヒアリ対策は「初期対応が極めて重要」と警告する。

小さなアリ1匹に刺されるだけで死亡するリスクを背負って生活するか、その地域に住むのを諦めるかの2択になる前に、水際で徹底的に封じ込める必要がある。

ヒアリ上陸の恐怖 – 毎日新聞

残念ながら我々は、『アントマン』のようにヒアリと友達になることは出来ないのだ。

Source:http://antlab.gatech.edu/antlab/The_Ant_Raft.html http://blogs.discovermagazine.com/notrocketscience/2011/04/25/fire-ants-assemble-into-living-waterproof-rafts/#.WWF-adPyhFQ https://youtu.be/3yhx-OxmNjA http://gairaisyu.tokyo/species/danger_15.html https://mainichi.jp/articles/20170704/ddm/013/070/024000c?inb=ys http://www.asahi.com/articles/ASK7662D7K76UTIL04T.html?ref=yahoo
Eyecatch Image:Marufish

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方向感覚が壊滅しており、Googleマップがあっても道に迷う編集長。ORIVERcinema発起人。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。

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