スター・ウォーズ』のダース・ベイダーやストーム・トルーパーなど、帝国軍のキャラクター衣装に身を包んでスター・ウォーズのテーマ曲や劇中曲を謎に高いテクニックで演奏するメタルコア・バンド、ギャラクティック・エンパイア(GALACTIC EMPIRE)』。

スター・ウォーズ・ファンとメタラーの双方から注目を浴びていた同バンドは、この度ついにライブハウスでのデビューライブを終え、引き続きのツアー活動を行っている。今回はギャラクティック・エンパイアのライブ動画や、コスチュームと権利問題、各界の反応をお伝えしよう。

帝国軍といえば、日本円にして9,384京2,688兆円の建設費がかかったと見積もられる第一デス・スターを建設するなど、まさに銀河全体を握るほどの潤沢な資金を備えているようだが、こと地球となれば話は別。ギャラクティック・エンパイアは、地球でのバンド活動費を捻出するため、2016年5月4日の『スター・ウォーズの日』にクラウドファンディングでアルバム制作費を地球人から募っていた。このプロジェクトは先日めでたく成就し、2017年2月3日にはセルフ・タイトル・アルバムのリリースが決定。

それに伴ってアナウンスされていた、主にイギリスを中心としたツアーがついにスタートした。
12月28日にはアメリカはペンシルバニア州ランカスターでデビューライブを成功させ、1月6日には同じくペンシルバニア州ピッツバーグ、7日にはニューヨークでもパフォーマンスをこなしている。2月1日から16日までは連日休みなくイギリス各地で16公演を行う怒涛のスケジュールが発表されている。

ギャラクティック・エンパイア ライブ動画

『ギャラクティック・エンパイア』はライブ動画をフルでFacebookに公開している。ボーカルの無いインストゥルメンタル・バンドであること、また普段メタルやポスト・ハードコアバンドのライブにそう出向くことのないスター・ウォーズ・ファンの来客が予想されることから、オーディエンスは落ち着いた様子で演奏を楽しんでいるようだ。もちろん、曲の間にはしっかり歓声と雄叫びを上げている。

MCと寸劇も満載

MCはフロントマンのベイダーが呼吸音と共に劇中さながらのトーンで楽しませてくれている。たとえば『エピソード2 / クローンの攻撃』のからの代表曲”Across the Stars”前には、「次の曲は、私のパドメへの愛…そして大嫌いな”砂”についての曲だ」と、ファンをニヤリとさせてくれる。

また、ステージに男性を連れ上げてくると、「貴様は反乱軍の一員であり反逆者だ!暗黒面の力を思い知るが良い」と、フォースチョークで男性を公開処刑。劇中では周囲が息を呑んで硬直することが多かったが、平和ボケした地球人は歓声を挙げ大喜びだ。

さらに、フロア後方で青いライトセーバーを光らせるファンを「ジェダイめ」とイジるなど、帝国軍および暗黒面の威厳と笑いに溢れたマイクパフォーマンスでも観客を湧かせている。

変更されたコスチューム

銀河全体を恐怖と軍事力で支配する帝国軍だが、地球には更に恐ろしい組織が存在する事実をギャラクティック・エンパイアは予感していなかった。ディズニーである。

ディズニーとの兼ね合い

メンバーは2016年11月3日に公開されたインタビュー記事において、「ルーカスフィルムやディズニーから連絡はありましたか?」との質問に、「まだ連絡はありません。でも、連絡を貰いたいと思っています。」と正直に語っている。

「ディズニーから止められることがあるかもしれないけれど、できれば中の人達にちゃんとコンタクトを取って、話し合いをした上でライブがしたいです。
ミュージック・ビデオはいちおうパロディの体(てい)でやってますからね。あのビデオはネットで無料で観れるお笑い的なものです。明らかにパロディなわけです。ビデオ内で着用しているコスチュームはディズニーの知的財産ですが、それでディズニーの収益を損ねているわけではないですから。それにディズニーが今お金に困っているわけでもないですしね(笑)。」

アメリカでは米国著作権法107条に基づく“フェア・ユース”と呼ばれる概念があり、著作権がある著作物であっても公正な利用であれば著作権の侵害にはならないとする規定が存在する。ここでいう”公正な利用”が日本国内でイメージされるものに比べてやや寛大で、ギャラクティック・エンパイアも黙認扱いだったのだろう。

ところが、来場者から入場料を取って行うライブ興行となると、フェア・ユースの範疇を超えてくると見られる。果たしてバンドはディズニーにコンタクトを取ることが出来たのか、それともバンド側が自重したのかはわからないが、ライブを行うにあたってはメンバーのコスチュームおよび名前が変更になっている。そのコスチュームを見てみよう。

ダーク・ベイダー

ダース・ベイダーによく似た、ヘビー・メタル界にフォースのバランスをもたらすと予言された選ばれし者だ。ダーク・ベイダーは、皇帝オヴァルティーンの命を受け、反乱軍を制圧し銀河を支配するべく、この『ギャラクティック・エンパイア』を創設したとされている。

ボバ・セット

どこかのマンダロリアンによく似たこのドラマーは、非常に冷酷な性格だが、仕事はキッチリこなすタイプ。ひとたびドラムセットに座れば、その能力は決して”クローン”化できないという。

ベース・コマンダー

ベース・コマンダーは元は一般兵だったが、抜きん出たベースのテクニックを買われベイダーの側近となった。ベース・コマンダーの座を狙う者は大勢いるが、みなそのポジションを射止めることができずにいる。トルーパーの射撃の命中率のように。

レッド・ガード

皇帝の忠実な護衛。怒らせるとヤバいらしい。”フォースと共にあらんことを”を唱える間もなく、斧を振りかざしてくるそうだ。

外された手袋、軽量化されたコスチューム

これまで公開されていたミュージュック・ビデオで、弦楽器隊は手袋を付けたままギターやベースを弾いていたが、ライブにおいては演奏の確実性を考慮してか素手になっている。
また、ステージ上のスポットライトは想像以上に熱い。1時間近いパフォーミングにも耐えられるよう、コスチュームは軽量化され、生地もできる限り薄く改良されていることがわかる。

スター・ウォーズ・ファミリーの反応

確かなスター・ウォーズ愛とアレンジセンス、そして文句なしの演奏力を兼ねたギャラクティック・エンパイアを、スター・ウォーズ・ファミリーも歓迎しているようだ。

ルーク・スカイウォーカー役マーク・ハミルは、ギャラクティック・エンパイアのミュージック・ビデオURLを記載したツイートに「いいね!」で反応。これを受けてバンド側は、「ついにスカイウォーカーが暗黒面の力を受け入れたようだ」とコメントしている。

また、チューバッカ役で知られるピーター・メイヒューもバンドのツイートに「いいね!」を送っており、「ついにあの強大なチューバッカも仲間になったか」とバンドは誇らしげな様子。

人気バンドもイチオシ

2017年2月3日にリリースされるギャラクティック・エンパイアのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムはメタルコアやポスト・ハードコア・ファンの間で信頼と実績を誇る”RISE Records”から発売されることもあり、既にその期待値は高い。

2016年12月28日のデビューライブではメタルコア界で絶大な人気を誇るバンド『オーガスト・バーンズ・レッド(August Burns Red)』と共演を果たしている。同バンドはギャラクティック・エンパイアのメンバーとの寸劇ビデオでライブ告知を行うなど、帝国軍の進撃に非常に好意的だ。

オーガスト・バーンズ・レッドのギタリストであるブラバカーは、ギャラクティック・エンパイアを「スター・ウォーズが好きかどうかはいいから、メタル・ファンなら聴くべき!」と賞賛を送っている。

また、エンタメ系巨大メディアWhatCultureでは、『2016年版ハードロック&ヘビー・メタル界の名ギターリフ ベスト20』の特集の中で、10位メガデスの”Dystopia”を押さえ、ギャラクティック・エンパイアの”The Imperial March”を9位に挙げている。同記事ではギャラクティック・エンパイアのメンバーを「真にクリエイティブな天才5人」と評し、「もしあなたが遥か彼方の銀河系を愛するメタラーなら、ギャラクティック・エンパイアを愛さずにはいられないだろう」と総括している。

2017年2月からは怒涛の16日連続ライブツアーに出るギャラクティック・エンパイア。もしもここ日本でライブを行うことが実現するとしたら、帝国の5人はディズニーよりも強大な組織”JASRAC”と戦う必要があるのかもしれない。
暗黒面の力をもってしても敵わないものが地球には存在するのだ。モッシュと共にあらんことを!

Source:http://flymagazine.net/from-the-vault-galactic-empire-announces-first-u-s-show-at-chameleon-club/
http://teamrock.com/news/2016-11-22/star-wars-themed-metal-band-galactic-empire-to-release-album
http://whatculture.com/music/20-best-hard-rock-amp-heavy-metal-guitar-riffs-of-2016?page=13
https://www.facebook.com/galacticempireofficial/photos/a.801092473350333.1073741828.788358921290355/1064500777009500/?type=3&theater
https://www.facebook.com/augustburnsred/videos/10154809832264291/

About the author

編集長。ORIVERcinema発起人。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。バーガーキングとNetflixがあれば生きていける。

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