『ライオン・キング』ムファサとスカー、実は兄弟じゃなかった ― 裏設定をプロデューサーが暴露

ウォルト・ディズニーによるアニメーション映画『ライオン・キング』が1994年に公開されてから23年が経過した今、当時のプロデューサーによって衝撃の裏設定が明かされた。なんと、主人公シンバの父親ムファサと、叔父のスカーが兄弟ではなかったというのである。

『ライオン・キング』でプロデューサーを務めたドン・ハーン氏と、ロブ・ミンコフ監督がアメリカのカルチャー・ウェブサイト「Hello Giggles」のインタビューに登場。そこでハーン氏は製作の様子を振り返って、二人の関係をこう説明している。

無視できなかった「ライオンの生態」

“ムファサとスカーが本当の兄弟ではない”という設定は、なにもハーン氏ひとりが心の中で思っていたことではないようだ。ストーリーの検討時点からこの話題は共有されていたようで、同氏は「おそらくムファサとスカーの両親が同じではないことについて(製作中に)話し合いました」と語っている。その関係性の背景には、ライオンという動物の生き方があった……。

「野生のライオンたちは、あるオスのライオンが老いると、別の悪いライオンが現れて集団(プライド)のボスを殺すものなんです。それがメスのライオンの発情につながる。そのうえ新たな若いライオンは、王を殺すとすべての赤ちゃんも殺してしまいます。そうやって集団を率いる新しいライオンになるんですよ。」

オスライオンは、生まれた時に所属していた集団からある時期に追い出されてしまう。そこで別の集団を乗っ取って生きるため、集団のボスライオンに戦いを挑むのである。そこで若いライオンが勝利すると、敗れたボスライオンは殺されるか集団を追放され、そしてその遺伝子を有する赤ちゃんはすべて殺されてしまう。新しいリーダーとメスライオンが子どもを作ることで、ライオンの遺伝子はどんどん“強く”なっていくのだ。

“実は兄弟ではない”本編でも示唆されていた

実際のライオンの生態が知られているかぎり、映画とはいえ乱暴な描写はできない。ハーン氏によると、「いかに2匹のオスライオンをストーリーに登場させるのか」という問題のカギを握ったのは、現実のライオンにも存在する“例外”だったという。

たまに2匹のオスライオンが存在する集団がいるんです。(親が同じではない以上)彼らは平等な関係ではないわけですから、興味深い動きですよね。きっと1匹は影が薄くなることでしょう。こうした動物の真実をストーリーの根拠にしようとしたんです。だから私たちは、スカーとムファサは本当は同じ遺伝子を持っていないと考えていました。」

しかも『ライオン・キング』の劇中で、スカーはムファサと本当の兄弟でないことを示唆しているという。

問題のシーンは映画の冒頭、ムファサとスカーが会話するシーンだ。その去り際にスカーは“I’m afraid I’m from the shallow end of the gene pool.”と言い残すのである。日本語では「自信がない」などと訳されるセリフだが、「俺には大事なものが欠けてるんじゃないかと心配なんだよ」という意味であり、より単語に即せば「大事な遺伝子が抜けてるんじゃないかと~」とも言い換えられる言葉だ。
ハーン氏からこの発言を引き出したHello Gigglesは、「ムファサはスカーを弟と呼び、スカーは確かに一族のひとりだが、彼が“本当の意味で”家族ではないことをみんなが知っている。彼は群れにいる2匹のオスライオンの“劣っているほう”なのだ」と記している。

現在『ライオン・キング』は、『ジャングル・ブック』(2016)のジョン・ファヴロー監督によって実写版の製作が進められている最中だ。さて、ハーン氏の発言はそのストーリーになんらかの影響を及ぼすことになるのか、それとも……。

ちなみに『ライオン・キング』には続編やスピンオフ作品、関連書籍などが多数存在し、あとから多くの裏設定が明らかになっている。ただし一部の裏設定が矛盾していることも指摘されているため、どこまでを「公式設定」として理解するのかは判断が難しそうだ。今回の発言も、ひとまず「製作秘話」や参考のひとつとして理解するほうが良いのかもしれない?

Sources: http://hellogiggles.com/lion-king-scar-mufasa-brothers/
http://screenrant.com/lion-king-mufasa-scar-not-brothers/
http://tocana.jp/2016/09/post_10852_entry.html
Eyecatch Image: © 2014 raymondsanti. ( https://www.sketchport.com/drawing/6353855952453632/the-lion-king )

About the author

1989年生まれ。ORIVERcinema編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはわかりづらいまま、少しだけわかりやすくしてお届けできればと思っております。

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Comments

  • a 2017年8月21日 at 6:21 PM

    1994年から 23年 ですよ

    Reply
    • Takatoshi Inagaki 2017年8月22日 at 9:41 AM

      ORIVERcinema編集部 稲垣です。
      このたびは誤植のご指摘を賜りまして、誠にありがとうございます。
      単純な表記の誤りで、たいへんお恥ずかしい限りです。
      本文中の表記は正しい記述へと修正させていただきました。
      編集部では記事公開前のチェックなどを徹底してまいりますが、今後も何かお気づきの点がございましたらお知らせくださいますと幸いです。
      今後ともORIVERcinemaを何卒よろしくお願い申し上げます。

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