【特集】『ローグ・ワン』実現しなかった3つのアナザー・エンディング!設計図リレー、コルサント、カーボンフリーズ

映画ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、これまでの『スター・ウォーズ』ファンはもちろんのこと、新たな観客からも好評を博した、シリーズの新たな金字塔と呼びうる作品だ。しかし本作は、製作トラブルや膨大な再撮影大規模な再編集などが伝えられるなど、別の可能性を大きくはらんでいた映画であることもまた事実だろう。

米国でのBlu-ray/DVDリリース、デジタル配信の開始に先がけて、原案・製作総指揮のジョン・ノール、脚本を執筆したゲイリー・ウィッタが『ローグ・ワン』製作の過程で検討された“別の可能性”をありのままに明かしている。私たちが映画館で、そして自宅で観ている『ローグ・ワン』は、間違いなくそれら“別の可能性”が捨てられた先に生まれた映画だ。もしかしたらあの人物は存在しなかったかも、この人物の設定が異なっていたかも、あるいは別の結末になっていたかもしれない……。そんな“もしも”を想像しながら、『ローグ・ワン』をより深く味わうことにしよう。

【注意】

この記事には、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のネタバレが含まれています。

ローグワン ダース・ベイダー
アメリカでは2017年3月24日(金)にデジタルダウンロード版が発売開始(日本では4月19日、Blu-ray/DVD発売は4月28日)となる『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ス

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完成版のエンディングが生まれた理由

私たちが知る『ローグ・ワン』のエンディングは、デス・スターの設計図強奪作戦に臨んだ反乱軍の主なメンバーが全滅してしまう、あろうことか帝国軍のオーソン・クレニック総督も巻き込まれてしまう……というものだ。ラストカットのレイア姫さえなければ、いや彼女の威力をもってしてもバッドエンドに限りなく近いハッピーエンドである。ところがこの結末は、製作陣の中では最初から決めていたことだったという。

「彼らはみんな死ななければならない、と最初から直感していたんだ」

こう語るのは脚本家のゲイリー・ウィッタだ。ところがジョン・ノールによる原案をもとにウィッタが執筆した脚本の第一稿は、数名の人物が生き残る展開だったという。

「ディズニーが許してくれないことを恐れていたのさ。『スター・ウォーズ』やディズニー・ブランドにしては暗すぎると思われるだろうって」

それでもウィッタをはじめ、同じく脚本担当のクリス・ウェイツ、ギャレス・エドワーズ監督は『ローグ・ワン』は“全滅エンド”であるべきだと考えていた。とうとう本当の希望を抑えきれなくなった彼らが、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長らにその意向を伝えたところ、意外にもその要望は快諾されたという。

「やりたかったエンディングをやれることになったんだよ」

アナザー・エンディング① 宇宙空間での設計図リレー

はじめにご紹介するのは、脚本の初期段階で検討されていた“ハッピーエンド”だ。

まず主人公のジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)は、完成版のようにミッションのため反乱軍に引き入れられるのではなく、もともと反乱軍の軍曹という設定で、攻撃部隊に自ら命令を下す役割だったという。またキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)のようなキャラクターは登場していたものの、別の名前が与えられていたらしい。K-2SOはメンバーの一員として存在したものの、ボーディー・ルック(リズ・アーメッド)、チアルート・イムウェ(ドニー・イェン)、ベイズ・マルバス(チアン・ウェン)は登場しなかったようだ。しかし、この“ハッピーエンド”でも全員が生き残ることはできなかったという。

「K-2は(どのバージョンでも)いつも死んでる。ジンは生き延びる。“キャシアン”も生き残るよ。どちらのバージョンの脚本でも、(帝国軍と反乱軍の)両方に犠牲者がたくさん出るんだ」

このハッピーエンド版『ローグ・ワン』も、デス・スターがスカリフを破壊するために現れるという展開は同じだという。決定的に異なるのは、このバージョンには設計図データを送る通信タワーが存在しないことだ。したがってジンとキャシアン(とは呼ばれていなかった別の人物だが)は、設計図のディスクを持ったままスカリフを脱出しなければならなかった。その後の展開を、ウィッタはこのように話してくれている。

「反乱軍の宇宙船が下りてきて、彼らはスカリフを離れるんだ。設計図を渡すのは後からさ。ジンたちが(宇宙空間を)超えると、オルデランからレイアの船が助けに来ている。スカリフを離れてから、船同士でデータを送るんだ」

ところがそこにダース・ベイダーが現れ、ジンの乗るシャトルに攻撃を仕掛けはじめる。反乱軍は設計図をなんとかレイアの宇宙船に送ろうと試みるが、ついにベイダーの攻撃は命中し、ジンのシャトルは木っ端微塵になってしまうのだ。スクリーンには、宇宙空間に漂うシャトルの破片が映し出される……。

ギリギリのところを、彼らは脱出ポッドで逃げ出してる。そのポッドは、まるで破片の一つみたいに見えてるのさ」

こうしてジンとキャシアンは無事に生存し、その手に握られたデス・スターの設計図も反乱軍のもとに無事回収された、というわけだ。なるほど、これなら確かに完成版よりもずいぶん“ハッピー”な終わり方だといえるはずだ。

アナザー・エンディング② コルサントへの脱出

原案を執筆したジョン・ノールによると、『ローグ・ワン』のアナザー・エンディングにはジンとキャシアンがコルサントへ逃亡するアイデアもあったという。そういえば、アーソ家がかつてコルサントにいた可能性が高いことが以前指摘されていたが……。

こちらのエンディングも、アナザー・エンディング①と同じく、ジンとキャシアンがデス・スターの設計図を入手した後、反乱軍の宇宙船でスカリフを離れるという展開を迎える。ところが違うのは、このバージョンに登場するダース・ベイダーは異様にしつこく、何度ハイパースペースに突入しても追いかけてくるということだ。ジンとキャシアンの乗る船は大きなダメージを受け、これ以上は無理だと二人とも悟るのだという。絶望的すぎる!

「最後のジャンプで、二人はコルサント周辺の交通に紛れ込もうとする。ものすごい船の量だよ、何万もの船がやってきては出ていくんだからね。しかし二人は失敗するんだ。コルサントから一時間ほど飛んで、船はさらにダメージを受ける。しかしその時、彼らはコルサントを出発したレイアの船を見つけるんだよ。レイアはオルデランへの外交任務の途中なんだ。レイアが反乱軍のため極秘で動いていることを、ジンとキャシアンは知ってる。そこで二人は、その事実が明るみに出るリスクを背負って、設計図を彼女の船に送るんだ。通信がベイダーに気づかれないという望みとともにね」

しかしその望みもむなしく、ベイダーは設計図の通信に気づいてしまう。そこでジンとキャシアンは、ベイダーがレイアを捕らえなかったとしても、自分たちが帝国の拷問を受けるだろうこと、反乱軍の秘密を悟られてしまうだろうこと、それが反乱軍の崩壊に繋がることを理解するのだった。ついに二人は、自分たちの命もろとも船を爆破する道を選ぶ……。しかしこれ、完成版の方がぜんぜんハッピーエンドではなかろうか?

アナザー・エンディング③ 二重スパイとカーボンフリーズ

ノールが語ってくれたもうひとつのアイデアは、これまた完成版とは根本の設定から異なるものだ。

なんでも、そのバージョンではキャシアンが二重スパイで、帝国軍から反乱軍に送り込まれたという設定だったらしい。しかしキャシアンは、反乱軍としての活動を続けるうちに、デス・スターが実在すること、それが虐殺のために造られていることを知るのだった。同時に彼は、これまで嘘を教わってきたこと、自分が間違っていたことに気づく。その結果、キャシアンは帝国軍から反乱軍へと寝返り、仲間たちを生かそうと考えるようになる……。

「彼らはカーボンフリーズ(炭素冷凍)爆弾を船に積んでいる。キャシアンはみんなをエアロックに入れて、“俺がこれを起動すれば、みんなが助かるんだ”って言うんだ。ベイダーが攻撃を仕掛けてきて、そのひとつが(キャシアンの)船を爆破する瞬間、彼はカーボンフリーズ爆弾を起動してみんなを凍らせる。するとベイダーの船からは生体反応を検知しなくなって、全員死んだと思われるのさ。ベイダーたちは“設計図の送られた船はどこだ?”って再び出発する。つまり僕は、ヒーローたちを映画から退場させるつもりだったんだよ。だから彼らは帝国にもジェダイの中にもいないのさ……まだ凍ってるんだよね」

なぜ採用されなかったのか?

今回紹介した3つのアナザー・エンディングは、いずれもストーリー上とても理にかなった結末だ。脱出ポッド、コルサント、カーボンフリーズと、これまでシリーズに登場した要素も巧みに取り入れられており、『スター・ウォーズ』シリーズの“アナザー・ストーリー”としても非常によく練られているといえるだろう。

しかしこれらの設定とエンディングは、検討されながらも映画には採用されなかった。なぜだろうか? ゲイリー・ウィッタは、「宇宙空間での設計図リレー」の末にジンとキャシアンが生き残るというアイデアを諦めた理由をこのように述べている。

「彼らを生かすため、こんなに多くの手順を踏まなきゃいけないこと自体、脚本の神様が“彼らを生き残らせるのは難しくないだろうね”って僕たちに言ってるようだったんだ。だから彼らは(スカリフの)地上で死ぬべきだと決めたのさ。(この映画は)そういう終わり方なんだと思ったよ」

少なくとも筆者は、『ローグ・ワン』のエンディングは完成版のものがベストだったと考えている。ストーリーがシンプルにまとまっていることで、『ローグ・ワン』という一本の映画としての独立性が高まっているほか、追加された要素を自ら丁寧に削ぎ落としてもおり、むしろ『スター・ウォーズ』シリーズにうまくフィットした印象があるからだ。

それでもファンとしては、これらのエンディングがもし実現していたら……と想像せざるをえない。ことによってはまるで別の映画になっていた可能性もあったということだが、その『ローグ・ワン』はどんなふうに私たちの目に映ったのだろうか?

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のBlu-ray/DVDは現在発売中。ジンやキャシアンをはじめとした反乱軍、迎え撃つ帝国軍の活躍を何度でも確かめよう。

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映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のBlu-ray/DVDが2017年4月28日に発売された。ORIVERでは、本作の劇場公開時にあらゆる話題をご紹介し、ときには製

スター・ウォーズ キャンペーン

Source: http://ew.com/movies/2017/03/20/rogue-one-alternate-ending-revealed/
https://io9.gizmodo.com/there-was-yet-another-ending-planned-for-rogue-one-and-1793523977
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1989年生まれ。ORIVERcinema編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはわかりづらいまま、少しだけわかりやすくしてお届けできればと思っております。

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