映画レビューサイトの評価、興行収入に影響なし ─ 米研究で明らかに

レビューサイトの評価は意味がない?

映画レビューサイトによる点数評価が高くとも低くとも、実際の興行収入への相関関係は見られないことが、最新の調査でわかった。南カリフォルニア大学エンターテインメント・テクノロジー・センターの研究プロジェクトが明らかにした。

同プロジェクトがサンプルとしたのは、欧米で最もよく知られる映画レビューサイトのロッテン・トマト(Rotten Tomatoes)。批評家と一般客による評価を割り出し、100%を満点とした「トマトメーター」で作品の評価を推し量ることができる。「世界一辛口」と呼ばれるこのレビューサイトは、つまらない作品に腐ったトマトを投げつける光景をその名の由来としている。

ロッテン・トマトは、多くのメディアが映画の評価を定量的に紹介したい際、参照として活用されることが多い。最近では日本の洋画宣伝でも「ロッテン・トマトで◯%獲得」といったお墨付きを示す形で名を聞く機会も増えた。

しかし研究によれば、ロッテン・トマトにおける「トマトメーター」数値は実際の興行収入に結びつかないという。

このプロジェクトのイヴ・ベルグクエスト氏が発表した研究レポートによると、興行収入100万ドルを超えた2017年公開の全150作品のロッテン・トマト評価と興収値を照らし合わせても、統計的に相関関係が認められなかった。たとえ評価が高くとも、低くともである。これは、2000年まで遡って調査しても同じ結果であったという。

ロッテン・トマトについては、観客が映画を健全に選択する機会を妨げるとして批判の声も挙がっていた。同レビューサイトで27%の低評価を下された『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)プロデューサーは、「ロッテン・トマトが我々のビジネスを破壊している」と、作品評価が数値化されてしまう風潮に憤っていた。また、『スーサイド・スクワッド』(2016)がこき下ろされた際には、不服とするファンが同サイト閉鎖を求め署名活動を行ったこともある。

なおこのレポートでは、映画の製作費と興行収入/顧客満足度の関係性についても調査を行っている。

1970年代から2010年代にかけて、製作費と興行収入の間には確かに相関関係が見られていたものの、2013年を堺に相関関係が絶たれている。この乱れは、特に米国内興行収入が3億ドルを超える大作映画において顕著のようだ。

顧客満足度においては、ハリウッド映画におけるCGI革命が黄金期を迎えた2000年代、製作費と観客評価には相関関係があった。しかし、こちらもやはり2013~14年から頭打ちになっており、2017年には落ち込んだ。

これらのデータを暴いたイヴ氏は、製作費増加の投資が今後リスクを増すこと、また観客が作品の質を判断する目が肥えてきていることを指摘している。

映画作品の良し悪しは、レビューサイトの評価や「製作費◯億円」などの踊り文句に惑わされず、自らの価値観に従って判断すればよいのである。

Source:https://medium.com/@ybergquist/cognitive-hollywood-part-1-data-shows-box-office-
economics-in-turmoil-411a4b22f858
http://www.nme.com/news/film/batman-v-superman-producer-says-rotten-tomatoes-is-destroying-film-2026981
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/suicide-squad-fans-petition-to-shut-down-rotten-tomatoes-following-bad-reviews-a7169446.html

About the author

やすらぎ捨てて、全てを捨てて、悪を追って空駆ける編集長。ORIVERcinema発起人。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。

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