“SNS”と“LGBT”が複雑に絡み合う話題作、2017年サンダンス監督賞受賞作『ビーチ・ラッツ』

2017年1月19日から29日にかけて米国ユタ州のパークシティで行われた第33回サンダンス映画祭。

ご存じの方も多いかと思うが、サンダンス映画祭は、1978年に映画製作者たちをユタ州に惹きつける目論見として、かのロバート・レッドフォードが“ユタ/US映画祭”として開催したことをはじまりとする。現在の“サンダンス”という名称は、主催のロバート・レッドフォードがジョージ・ロイ・ヒル監督の『明日に向って撃て!』で演じたサンダンス・キッドの名前に由来している。地名を掲げる映画祭が多い中、なかなかユニークなネーミングである。

さて本年度は“The Short Film Grand Jury Prize”(短編部門)において、日本の長久允監督による『そうして私たちはプールに金魚を、』“And so we put goldfish in the pool”がグランプリに輝き話題となっている。ちなみに同作品は、2012年に埼玉県狭山市にある中学校のプールに、15歳の少女4人が400匹の金魚を放流して世間を騒がせた実話を元に製作された短編映画である。

しかし、今回気になっているのは、この金魚の映画ではない。

“U.S. Dramatic Competition”(USドラマ部門)の監督賞に輝いた、女流監督エリザ・ヒットマンによる『ビーチ・ラッツ(原題:Beach Rats)』である。

SNSとLGBTがキーワード

本作品は、ブルックリンの片隅で“なんとなく”な日々を過ごす10代の若者、ハリス・ディキンソンが演じるフランキーを主人公とした物語である。彼は父親を亡くし、索漠とした家庭での生活と自問自答の日々からなんとか抜け出そうともがいている。そして、不良の友人とのトラブルあり、気になる女性との出会いありといった中、インターネットの出会い系サイトで知り合った年上の中年男性に惹き付けられてゆくことになる、という物語である。

本作品の軸になっているのが、フランキーがどっぷりハマっているインターネット、特にソーシャル・ネットワーキング・サービス、つまり“SNS”なのである。昨今の日本の若者の間でも、まあ若者だけではないけれどね…、もちろん当たり前になっているカルチャーであり、そこには光の部分もあれば当然影の部分も存在する。日本でも、日々世間を騒がすSNS絡みのトラブルはあちこちで見掛けられる。

さてそんな本作品の初の予告編が公開されているのだが、個人的には非常に関心を持つ切っ掛けになったので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。前述のSNSというキーワード、さらには本作品のもう一つの軸としてのセクシャル・マイノリティ、“LGBT”というものも、実に怪しげに、そして何か幻想的に埋め込まれていると、個人的には感じる。

『ビーチ・ラッツ』の正式な公開日はまだ決定していないようなのだが、2017年の秋頃になるのではないのかという話がある。謎めいた予告編に惹き付けられた方は、ぜひ注目しておいて頂きたい。

Eyecatch Image:https://youtu.be/JdZmwep-4aI

About the author

週に1回くらいのペースで、ついつい『八月の鯨』を観てしまう今日この頃。Busy, busy, busy, always busy.

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ポップカルチャーは世界を変える

Twitterでoriver.cinemaをフォローしよう!


こちらの記事もオススメ

JOIN THE DISCUSSION

※承認されたコメントのみ掲載されます。

Comments

  • 最新LGBTニュースをまとめてチェック!2017.03 | Letibee Life 2017年3月15日 at 7:01 PM

    […] […]

    Reply