【注意】

この記事には、映画『シビルウォー / キャプテン・アメリカ』の映画前半部分の内容に触れています。

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『シビルウォー / キャプテン・アメリカ』の前半部分で、トニー・スタークがMITでスピーチをする場面があった。そこで彼は、若いころの自分と、両親のハワード・スタークとマリア・スタークをバーチャル・リアリティで蘇らせるという革新的なテクノロジーを披露していた。

このテクノロジーが優れている事については、若いころのトニー・スターク…つまり、20代の頃のロバート・ダウニー・Jrを映像で再現した映画のVFXスタッフに称賛を贈るべきだ。

スターウォーズ ジェダイの帰還』のダース・シディアスしかり、これまで俳優の実年齢より年老いて見せる事は、デジタル技術が発達する前から特殊メイクによって可能であった。しかし、『若返り』はやはりデジタルの成せる技だ。『シビルウォー』では、一体、どうやってあんなにリアルに俳優を若返らせる事ができたのだろうか?

若いトニー・スタークが登場する場面はほんの数分であったが、VFXスタッフの重ねた苦労は想像に難くない。同作の視覚効果部門で監督を務めたTrent Claus氏がハリウッド・レポーターのインタビューに答えている。

「顔や体に必要なすべての機能を、何らかの方法で対処する必要がありました。ひとつは、顔の特定の部分の皮膚が徐々に下がっていて、それを元の年齢の時点であった位置まで“リフトアップ”するという事でした。
しかし、皮膚の光反射の仕方や、顔の一部分の表面下でのわずかな血管の縮小、若々しい『ほてり』を感じさせる頬の血流といった変化はめちゃくちゃ繊細なんです。」

トニーが複数回振り返ったり、他の役者やセットに触れたり、断続的にカメラにむかって長時間クローズアップする。こういった描写を含めて若きトニーが登場する場面はおよそ4,000フレーム。この映像を違和感なく見せるため、VFXチームはロバート・ダウニーJr.が若い頃に出演していた映像作品の研究を重ねた。

「ロバート・ダウニーJr.のような名の知れた俳優の場合、観客が実際の若い頃の姿を覚えているというプレッシャーもありました。今回は、ターゲットとなる年齢時にダウニーが出演していた映画、『レス・ザン・ゼロ(Less Than Zero 1987年)』あたりを分析しました。」

http://www.rollingstone.com/topic/robert-downey-jr

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実際にシワを消したり、血色を良くする作業はどのようにして進めたのだろうか。

「フォトショップと似たような行程です。でも、フォトショップの場合は1枚の画像で済むけど、我々は1秒あたり24フレームを処理しましたからね。

Trent氏は、ブラッド・ピットの赤ん坊から老人姿までを再現した『ベンジャミン・バトン』でも同様の視覚効果を手がけている。人間の年齢を映像内で自由に操る魔法のような技術だが、南カリフォルニア大学のクリエイティブ・テクノロジー研究所を率いるPaul Debevec教授は「みんながよく知る、雑誌の表示の写真をイジるやつの延長ですよ」と語る。

「有名な役者なら、劇中のあらゆる瞬間でそれ(年齢変化)が出来ますね。もちろん、映画の中での役者が現実世界の見た目からかけ離れてしまうという“ドリアン・グレイ問題”の心配はありますけど。」

ドリアン・グレイ問題とは、何度か映像化されているオスカー・ワイルドの長編小説『ドリアン・グレイの肖像』にならったものだろう。この小説は、若さに固執する主人公の美少年ドリアン・グレイが、自らの肖像画を前に、肖像画の方が代わりに歳をとればいいのにと願う。

「だから、まだ見ぬテクノロジーによって、現実世界でも同じように顔の修正を済ませないと、トークショウやレッドカーペットでトラブルになっちゃうかもしれませんね。」

役者の表情をVFXで操作するのには、年齢を操るだけではなく、移植する事だって可能だ。『ワイルド・スピード7』撮影期間中に他界したポール・ウォーカーの顔を、彼の実弟が代役として演じた体に移植したのは記憶に新しい。

http://www.digitalspy.com/movies/fast-and-furious/news/a638894/how-fast-furious-7-created-a-digital-paul-walker-to-complete-the-movie/

http://www.digitalspy.com/movies/fast-and-furious/news/a638894/how-fast-furious-7-created-a-digital-paul-walker-to-complete-the-movie/

「複雑さで言えば、全く次のレベルの話です。」Debevec教授は語る。

「もうデジタル・メイクアップという話ではなく、三次元で、アニメーション的に、もう一度ヒトの顔をデジタルバージョンで描き直すといった話になってきます。顔のスキャンデータを元に、そこから始めていくんです。」

…ちなみに筆者は件の若いトニー・スタークのシーン、シリアスなシーンでありながらも彼の若い姿が物珍しく、吹いてしまった。

Source:http://www.hollywoodreporter.com/behind-screen/how-captain-america-civil-war-892387

About the author

編集長。ORIVERcinema発起人。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。バーガーキングとNetflixがあれば生きていける。

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Comments

  • ワラビー (@kobo97) 2016年5月15日 at 7:36 AM

    『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る https://t.co/3OgER4nT9c

    Reply
  • @speednight0 2016年5月15日 at 10:20 AM

    『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る https://t.co/T8QOVCySqN

    Reply
  • @excalibur2140 2016年5月15日 at 11:04 AM

    『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る https://t.co/AQmxotlcVX 大した技術だよね、あんまり話題になってないのが不思議だけど。

    Reply
  • @gap_h_rp 2016年5月15日 at 2:10 PM

    シビルウォーネタバレになるからリンクだけ置いとくけど、本編見ててとにかくこの技術すげぇ!って興奮した。マーベルありがとう…
    https://t.co/5O9nLLcJ7z

    Reply
  • @fuckin_tarou 2016年5月15日 at 3:48 PM

    “『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る” #eiga #feedly https://t.co/qcdQblwRdC

    Reply
  • @yoroshikumanbo 2016年5月15日 at 8:28 PM

    あれ別の人とかじゃなかったんか!

    『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る https://t.co/FgKwZBTagc

    Reply
  • @red_hot_fox 2016年5月15日 at 10:27 PM

    『シビルウォー』若い頃のロバート・ダウニーJr.を再現した魔法のデジタル技術に迫る https://t.co/5Lv0C9toIT

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